加害者側任意保険会社の言うとおりに署名押印してしまって良いでしょうか。


加害者側の任意保険会社から
「今月で治療は終了です。計算書を送りますので、問題なければ署名捺印して返送してください」
と言われました。

まだ首や腰に痛みやしびれが残っているのですが、
保険会社の言うとおりに署名押印して返してしまっても大丈夫でしょうか。

目次

A. 症状が残っているなら、署名押印は絶対に慎重に行うべきです

結論から言うと、症状が残っている段階で示談書に署名押印をするべきではありません。

なぜなら、示談書に署名・押印をすると、

  • その時点で 事故に関する賠償請求権が原則すべて終了
  • 後から 後遺障害を理由とする追加請求が極めて困難
  • 「知らなかった」「説明されなかった」は通らない

という、取り返しのつかない法的効果が生じるからです。

示談書への署名押印が意味する法的な確定

加害者側保険会社が送ってくる書類は、
単なる「支払確認書」ではなく、**示談書(免責証書)**であることがほとんどです。

この示談書に署名・押印をすると、

  • 治療費
  • 休業損害
  • 慰謝料
  • 将来の後遺症に関する請求

を含めて、すべて「解決済み」と扱われるのが原則です。

つまり、

「実は後から後遺症が悪化した」
「やっぱり後遺障害だった」

という事情があっても、
原則として追加請求はできなくなります。

保険会社が「治療終了」を勧めてくる理由

加害者側任意保険会社が、ある時点で

  • 「症状固定ですね」
  • 「今月で治療は終了です」
  • 「これ以上は治療費をお支払いできません」

と伝えてくるのには、明確な理由があります。

それは、

  • 治療が長引くほど支払額が増える
  • 後遺障害認定に進まれると賠償額が大きくなる
  • 早く示談を成立させた方が保険会社として有利

という、保険会社側の都合によるものです。

 

代表 石澤

保険会社の担当者さんが悪い人、という話ではありません。仕組みとして「早く終わらせた方が会社として得」なんです。なので、言葉が丁寧でも、こちらは「利害が反対側」だと理解しておくのが大事です。『今月で終了です』と言われたら、まず“保険会社の打ち切りと症状固定の話は別”と捉えてください。

 

症状固定と示談は別の問題である点が重要

「症状固定」とは、
医学的に、これ以上治療を続けても大きな改善が見込めない状態を指します。

しかし、

  • 症状固定=示談してよい
  • 症状固定=後遺症はない

という意味ではありません。

むしろ、

症状固定後にこそ、後遺障害等級認定の手続きが始まる

というのが正確な理解です。

症状が残っている場合に検討すべき後遺障害等級認定

首・腰の痛み、しびれ、可動域制限、頭痛、めまいなど、
症状が残っている場合には、

  • その後遺症が
    自賠責保険上の「後遺障害等級」に該当するか
  • 該当する場合、
    何級に認定される可能性があるか

を明らかにする必要があります。

後遺障害等級が認定されるか否かで、

  • 自賠責保険金
  • 後遺障害慰謝料
  • 逸失利益

など、賠償金の総額が数十万〜数百万円以上変わることも珍しくありません。

示談書に署名してしまうと失われる可能性がある権利

症状が残っているにもかかわらず、
示談書に署名押印してしまうと、次のような権利を失う可能性があります。

  • 後遺障害等級認定を受ける権利
  • 自賠責保険からの後遺障害保険金
  • 後遺障害慰謝料・逸失利益の請求権
  • 搭乗者傷害・人身傷害保険との関係整理

「とりあえずサインして、あとで考えよう」という判断は、
ほぼ例外なく不利な結果につながります。

行政書士に相談すべきタイミングは「署名前」

後遺障害等級認定手続きは、
示談成立前に行う必要があります。

そのため、

  • 症状が残っている
  • 保険会社から治療終了を告げられた
  • 示談書が送られてきた

このタイミングこそが、
後遺障害認定を専門とする行政書士に相談すべき最重要局面です。

 

代表 石澤

相談が一番多い「手遅れパターン」は、サインしてから『やっぱり痛い』と連絡が来るケースです。ここから巻き返すのは現実的にかなり厳しくなります。逆に言うと、署名前なら、症状・通院・診断書の整え方で「取り得る選択肢」が残っています。迷ったら、サインする前に一回だけ確認してください。

 

石澤法務事務所が「署名前相談」を重視する理由

石澤法務事務所では、

  • 示談書に署名する前の段階での相談
  • 症状内容・治療経過の整理
  • 後遺障害等級の可能性検討
  • 被害者請求・再申請の戦略立案

を重視しています。

実際に、

  • 署名前に相談したことで適正等級が認定されたケース
  • 一度は示談寸前だった案件で数百万円規模の差が生じたケース

も数多くあります。

示談書への署名は「最後の最後」に行う判断

  • 症状が残っているなら、署名押印は待つ
  • 示談書にサインすると原則やり直しはできない
  • 後遺障害等級認定の可能性を先に検討する
  • 専門家に相談するのは署名前が最重要

後遺症が残っている方へ

  • 「保険会社に言われるまま進めていいのか不安」
  • 「この症状は後遺障害になるのか分からない」
  • 「示談書に署名していいか判断できない」

このような場合は、
一人で判断せず、後遺障害認定に精通した専門家に相談することを強くおすすめします。

石澤法務事務所では、
示談前の段階から、被害者の不利益を防ぐ視点でサポートしています。

この記事の執筆行政書士

石澤 拓也(日本行政書士会連合会 登録番号:第12101578号)

立命館大学法学部卒。交通事故の後遺障害認定・異議申立てに完全特化した専門事務所の代表です。業界屈指の認定率72%を達成。認定されなければ報酬0円(着手金・相談料0円、隠れ費用一切なし)という費用リスクゼロの方針を好評頂いています。

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