2024年12月 後遺障害の基礎知識 2024年12月26日 後遺障害の認定は厳しい?非該当で認定されない理由と対策をプロが徹底解説 こんにちは。石澤法務事務所の石澤です。 交通事故のあと、治療を続けても痛みやしびれ、頭痛、めまい、可動域制限が残る。 日常生活も仕事も、事故前のようには戻らない。 それなのに、後遺障害の申請をしたら「非該当(認定されない)」、この流れは、想像以上に多く起きています。 痛みは本物なのに、紙の上では無かったことになる。この理不尽さが、後遺障害のいちばんしんどいところですね。 ただ、ここで伝えたいのは一つです。後遺障害が認定されない理由の多くは、症状そのものの軽重ではなく「伝わり方の設計ミス」にあります。つまり、やり直せる余地が残っているケースも少なくありません。 この記事では、「後遺障害 認定されない」で検索している方が、いま起きていることを整理できるように、非該当の典型原因と、現実的な立て直し方を解説します。 後遺障害が認定されない理由は「症状がない」ではなく「判断材料が足りない」ことが多い 審査は、基本的に書面中心です。もちろん医師の診断書は見られますが、それだけで十分とは限りません。 後遺障害は、審査側が「等級の要件に当てはめられる」だけの材料が揃ってはじめて評価されます。逆に言えば、材料が揃っていなければ、症状が残っていても「判断できない=非該当」になりやすい。 非該当って、「あなたは嘘をついている」って意味じゃないんです。多くは「この資料だけだと判断できない」って意味なんですよ。 後遺障害が認定されない人に共通する落とし穴がある 「後遺障害 認定されない」ケースには、繰り返し見える落とし穴があります。代表例を挙げます。 通院頻度の空白で「継続性」が弱く見える 痛い日もあれば、少しマシな日もある。仕事もある。通院が途切れること自体は珍しくありません。ただ、書面上は「通院していない=良くなったのでは?」と評価されやすいのが現実です。特に、事故直後〜初期の通院が薄いと、後から巻き返すのが難しくなることがあります。 症状の説明が正確でない 正しい症状の伝え方をしないと、審査側は等級の判断材料にしづらい。 検査や所見と訴えのつながりが薄い むち打ち等の「見えにくい症状」では特に、画像や神経学的所見が弱いことがあります。その場合、他の資料で補強する設計が必要なのに、診断書一枚に寄ってしまうと非該当になりやすい。 症状固定が早すぎて「改善途中」に見えてしまう 保険会社の治療費打ち切りなどをきっかけに、焦って症状固定へ進むと、評価材料が固まらないまま申請に入ることがあります。結果、審査側からは「まだ経過が見えない」「将来改善する可能性がある」と判断されやすくなる。 後遺障害は、「早く終わらせた人が得」じゃないんです。必要な材料が揃う前に終わらせると、損が確定しやすくなります。 非該当になりやすい症状ほど「記録の積み上げ」が重要になる 後遺障害の認定について相談が多いのが、外見や画像だけでは症状の程度を把握しにくいケースです。首の痛み、頭痛、めまい、しびれ、倦怠感などがこれにあたります。 こうした症状は、症状が「軽い」から認定されないとは限りません。症状の存在や程度、日常生活への影響が資料から十分に伝わらないことで、認定につながりにくくなることがあります。 だからこそ大切なのは、気合いや主張の強さではなく、症状を具体的に記録し、積み上げていくことです。 整理しておきたいのは、次のような点です。 症状:どの部位に、どのくらいの頻度・程度で症状があるのか 悪化する動作:運転、PC作業、振り向く、洗髪、抱っこなど、どのような動作で症状が強くなるのか 生活への影響:仕事や家事にどのような制限が生じているのか、睡眠に影響しているのか 通院経過:どのような治療を受けてきたのか、通院に途切れがある場合は、その理由も含めて整理する こうした情報を、診療録や診断書、必要に応じた補足資料などに適切に反映し、審査する側が症状の実態を具体的に把握できるように整えていくことが重要です。目に見えにくい症状だからこそ、一つひとつの記録を積み重ねていくことが、後遺障害の認定を考えるうえで重要になります。報を、診療録・診断書・補足資料として“審査が読める言葉”に落とす必要があります。 後遺障害が「非該当」となっても、まだ打ち手が残っていることがあります 非該当の結果が出たとき、多くの方は「もう終わりだ」と感じてしまいます。 しかし、実務上は、非該当となった後でも、見直しや再申請などの打ち手が残っているケースがあります。 たとえば、 診断書の記載が十分でなく、空欄や短い記載が多い 症状によって日常生活にどのような支障が生じているのか、十分に整理されていない 追加の資料や検査結果などによって、症状を補強できる余地がある 申請時の資料が、審査で重視されるポイントを十分に踏まえた内容になっていない といった場合です。 こうした点を一つひとつ見直し、必要な資料を補強することで、最初の非該当という結果を覆せる可能性があります。 もちろん、再申請すれば必ず結果が変わるというものではありません。だからこそ、非該当の通知を受け取った時点で諦めるのではなく、「なぜ非該当になったのか」「補強できる点はないか」を確認することが重要です。 非該当になった後こそ、これまで準備してきた資料や経過を見直し、次の一手につなげることが大切です。弊所では、非該当となった理由を確認し、次に何ができるのかを一緒に整理します。 認定されない結果を避けるために、申請前から整えておきたいポイント これから申請する方はもちろん、現在手続きが進んでいる方も、次のポイントを早めに確認しておくことが大切です。事前に症状や資料を整理しておくことで、後遺障害の認定に必要な情報を、より適切に伝えられる可能性があります。 症状の一貫性を「証拠」で揃える 症状には波があっても問題ありません。大切なのは、いつ、どのような症状があり、それによって何に困っているのかを、通院記録とご本人の説明の両面から一貫して伝えられる状態にしておくことです。 後遺障害診断書を「もらって終わり」にしない 後遺障害診断書は重要な資料ですが、それだけですべてを伝えられるとは限りません。診断書の記載だけでは分かりにくい症状や日常生活への影響については、必要に応じて他の資料で補足し、症状を具体的に伝えられるよう準備しておくことが重要です。計が必要です。 「示談交渉の前」に後遺障害の認定を考える 後遺障害の等級認定は、その後の損害賠償額にも大きく関わります。そのため、示談交渉を始める前に、まず後遺障害の認定を受けられる状態を整えておくことが重要です。「等級認定を検討する → 認定結果を踏まえて示談交渉を行う」という順序を意識して、早い段階から準備を進めていきましょう。 石澤法務事務所が扱うのは「症状の強さ」ではなく「審査に届く形への翻訳」 当所が後遺障害案件で大切にしているのは、感情論ではなく、審査に届く形に整えることです。症状があるのに認定されない方の多くは、「何が足りないか」を知らないだけで、努力不足ではありません。 私がやりたいのは、あなたの苦しみを「正しく伝わる形」に変えることです。伝わらなかったら、無かったことにされる。それだけは避けたい。 非該当で一度つまずいた方も、これから申請する方も、最初に整理すべきは「今の資料で、審査が判断できる状態か」です。そこが整えば、結果の見え方が変わります。 後遺障害が認定されないのは“あなたのせい”ではなく“設計の問題”で起きやすい 「後遺障害 認定されない」という結果は、心を折ります。でも多くの場合、それは症状の否定ではなく、判断材料不足や構成の問題として起きています。 通院経過の空白 検査・所見と訴えのつながりが弱い 症状固定が早すぎる 診断書一枚で勝負している ここを見直せば、まだ手はあります。悔しい気持ちのまま一人で抱え込まず、原因を特定し、次の一手を組み立てる。後遺障害は、そこから巻き返せることがあります。 1