交通事故や労災でけがをして、治療を続けても痛み・しびれ・可動域制限などが残る。そんなときに出てくるのが「後遺障害の等級認定」という選択肢です。

ただ、ネットで調べると「後遺障害 認定 デメリット」や「申請しても意味がない」といった言葉が出てきて、不安になる方も多いと思います。実際、後遺障害の申請は、やれば自動的に得をする「魔法の制度」ではないのも事実。手続きの負担もありますし、タイミングを間違えると労力や専門家への依頼費用が損に繋がることもあります。

 

代表 石澤

「私は「申請しろ」って無条件に言いません。
プロとして、やるなら、ちゃんと勝てる形でやりたいんです。

 

この記事では、「後遺障害 認定 デメリット」で調べている方に向けて、後遺障害認定の“デメリット”を正面から整理しつつ、それでも申請を検討すべきケース、逆に慎重になった方がいいケースを、現場目線で解説します。

目次

後遺障害認定のデメリットは「申請そのもの」より「進め方のミス」で起きやすい

最初に結論を言うと、後遺障害認定のデメリットは、制度のせいというより進め方のミスで起きることが多いです。
つまり、「申請したから損」ではなく、「準備不足の申請をした結果、損が確定する」という形です。

では具体的に、どんなデメリットがあるのかを順番に見ていきます。

症状固定が早まって治療の機会を失うリスクがある

後遺障害の等級認定は、原則として「症状固定」後に行います。ところが、後遺障害申請を意識しすぎると、次のような心理が働くことがあります。

  • 「もう治らない気がするから、早く固定して申請したい」
  • 「保険会社が打ち切りと言うから、固定するしかない」

この結果、必要な検査やリハビリが揃わないまま固定になり、本来回復できた可能性を自分で閉じてしまうことがあります。

 

代表 石澤

申請は大事。でも「治る可能性」を先に捨てるのは、私は違うと思っています。

 

手続きの負担が想像以上に重くなることがある

後遺障害認定は書類審査が中心です。つまり、資料を揃えるほど精度は上がりますが、その分だけ負担も増えます。

  • 通院の継続(通院間隔の設計)
  • 画像・検査結果・診療録の取り寄せ
  • 後遺障害診断書の依頼と記載内容の確認
  • 生活支障の整理(仕事・家事・運転など)

症状がつらい中でこれをやるのは大変です。
「申請するなら体力も必要」というのは、あまり語られませんが現実です。

非該当や低い等級で「その後の交渉」が不利になる

これが一番怖いデメリットです。
後遺障害申請をして、非該当想定より低い等級が出ると、相手方(保険会社)から次のように扱われやすくなります。

  • 「後遺障害として認められていない=後遺障害の賠償金は0円」
  • 「等級が低い=その分後遺障害の賠償金は減額」

もちろん、非該当でも争う余地はあります。再申請や立証のやり直しもできます。ただ、最初の結果が“アンカー”になってしまい、交渉心理として不利に働くことがあるのは事実です。

  

代表 石澤

非該当が出た後の巻き返しは、できます。でも、「最初から勝てる形で出す」のがいちばん楽です。負けてから戦うのは、本人の負担が大きくなってしまいますので。

   

医師との関係が微妙になるケースがある

後遺障害診断書の書類には医師が記載します。ここで、依頼の仕方を間違えると、医師との関係がぎくしゃくすることがあります。

  • 「認定されるように書いてください」と言ってしまう
  • 診断書の内容を“修正してくれ”と強い口調で迫る
  • 医師の医学的判断と、患者の希望がぶつかる

これは、患者側の気持ちとしては当然の面もあります。しかし、後遺障害認定は「嘘を書かせる」ことではなく、正確な状態を審査に伝わる形に整えることが本質です。

後遺障害認定によって「終わった気持ち」になり、回復努力が止まることがある

意外と見落とされがちですが、後遺障害認定は心理的に“区切り”になります。
区切りが必要な人もいます。ただ一方で、認定を取ったことで、

  • リハビリへの意欲が落ちる
  • 生活改善を諦める
  • “自分はもう治らない”という自己暗示が強まる

という方向に傾く人もいます。

後遺障害等級は、生活補償のための制度です。回復の可能性を閉じるための制度ではありません。
申請するなら、心の持ち方も一緒に設計した方がいいです。

デメリットを上回って申請する価値が高いケースがある

ここまでデメリットを挙げましたが、もちろん、申請する価値が高いケースは多いです。むしろ、必要なのに怖がって申請しない方が長期的に損をします。

申請価値が高い典型は次のような場合です。

  • 通院を続けても症状が残り、生活・仕事に支障が出ている
  • 可動域制限や神経症状など、一定の医学的裏付けが取れる
  • 公に残った後遺障害が認められることで、心の大きな区切り=スタートになる

  

代表 石澤

特に後遺障害の認定により、この痛みが本当だと認められたと心の整理ができる方が多いです 

後遺障害認定で損しないための判断軸は「準備できるか」と「タイミングが適切か」

「後遺 障害 認定 デメリット」を調べている方に伝えたいのは、最後はここです。

  • 準備できるか:診断書だけでなく、経過・検査・生活支障を整えられるか
  • タイミングが適切か:症状固定が早すぎないか、通院の空白がないか
  • 戦略があるか:事前認定か被害者請求か、どのルートで出すか
  • 負けた場合の手当てもあるか:再申請や追加立証を見据えられるか

「申請するかどうか」は、気合いで決めるものではありません。設計です。

石澤法務事務所の考え方は「納得できるか」

私たちがこのテーマで一番言いたいのは、後遺障害認定を“煽る”ことではなく、ご本人の納得です。

後遺障害の申請は、うまくいけば区切りとして納得して次のステップに進みやすいです
少しでも正しく認定されることが重要です

後遺障害認定のデメリットは「回避できるもの」が多い

後遺障害認定のデメリットをまとめると、次の通りです。

  • 手続き負担が重い
  • 治療期間が最低半年間必要になる
  • 医師との関係が悪化するケースがある

一方で、これらの多くは、納得というメリットで相殺されます。
申請を迷っているなら、「可能性があるかないか」ではなく、まずは「自分として納得できるかどうか」で考える。それが一番の近道です。

この記事の執筆行政書士

石澤 拓也(日本行政書士会連合会 登録番号:第12101578号)

立命館大学法学部卒。交通事故の後遺障害認定・異議申立てに完全特化した専門事務所の代表です。業界屈指の認定率72%を達成。認定されなければ報酬0円(着手金・相談料0円、隠れ費用一切なし)という費用リスクゼロの方針を好評頂いています。

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