後遺障害認定後に受け取れる保険金は一つではありません。

交通事故で後遺障害等級が認定されると、
多くの方は 「自賠責保険からの保険金」や「相手方への損害賠償」 だけを思い浮かべます。

しかし実際には、それとは全く別枠で受け取れる保険金が存在します。
それが、ご自身の自動車保険に付帯されている「搭乗者傷害保険の後遺障害保険金」です。

この保険金は、

  • 相手方の過失割合に関係なく
  • 示談の進行状況にも左右されず
  • 後遺障害等級が認定されれば請求可能

という非常に重要な給付ですが、
請求されずに見過ごされてしまうケースが非常に多いのが現状です。

 

代表 石澤

後遺障害の相談って、みなさん「賠償金」の話だけで頭がいっぱいになりがちなんです。でも少ないですが、「自分の保険の請求漏れ」です。ここを取りこぼすと、普通に数十万円単位で損します。

 

目次

搭乗者傷害保険とは「自分のための保険」

搭乗者傷害保険とは、
事故の相手ではなく、自分自身(運転者・同乗者)を守るための保険です。

  • 自分の車に乗っていた人が対象
  • 相手が無保険でも支払われる
  • 過失割合が100%自分でも支払対象

つまり、
賠償責任とは切り離された「定額給付型」の保険という位置づけになります。

 

代表 石澤

搭乗者傷害保険の強みは、相手がどうとか、過失割合がどうとか、示談が進んでるかとか、そういう“揉めポイント”と無関係に動くところです。認定さえ取れていれば、生活費の足しとして早めに受け取れる可能性がある。ここは被害者の方にとって実務的にかなり大きいです。

 

搭乗者傷害の後遺障害保険金は「定額」で支払われる

搭乗者傷害保険の後遺障害保険金は、
損害額を積み上げて計算するものではなく、
加入時に設定した「死亡・後遺障害保険金額」を基準に、等級ごとの割合で支払われます。

等級別の支払割合(一般的な例)

  • 後遺障害14級:死亡保険金額の4%
  • 後遺障害12級:死亡保険金額の10%
  • 後遺障害9級:死亡保険金額の20%前後
    (※保険会社・契約内容により異なる場合あり)

具体例

  • 搭乗者傷害の死亡・後遺障害保険金額:1,000万円
  • 後遺障害14級が認定された場合
    40万円が支払われる

これは、

  • 自賠責保険(14級:75万円)
  • 相手方への賠償金

とは完全に別枠で支払われるお金です。

相手方賠償とは全く別の給付である点が重要

搭乗者傷害保険の後遺障害保険金は、

  • 相手方との示談とは無関係
  • 相手保険会社の判断とは無関係
  • 過失割合による減額なし

という特徴があります。

そのため、

  • 示談が長期化している間の生活費補填
  • 治療終了後の精神的・経済的な支え
  • 後遺障害が残ったことへの即時的な補償

として、非常に実務的な意味を持つ保険金です。

請求できるのに「請求されていない」ケースが多い理由

搭乗者傷害の後遺障害保険金は、
自動的に支払われるものではありません。

次のような理由で、請求されずに終わってしまうことが多くあります。

  • そもそも搭乗者傷害保険の存在を知らない
  • 自賠責や示談金と同じものだと誤解している
  • 保険会社から積極的に案内されない
  • 後遺障害認定と紐づくことを知らない

結果として、
数十万円〜百万円単位の保険金を受け取らずに終わってしまうことも珍しくありません。

搭乗者傷害保険にも時効がある点に注意

搭乗者傷害保険の請求には、
保険法上の消滅時効が存在します。

一般的には、

  • 保険金請求権の時効:3年

とされており、
後遺障害等級が認定された後、
長期間放置していると請求できなくなる可能性があります。

「後でまとめて請求しよう」と思っているうちに、
気づいたら時効を迎えていたというケースも実際に発生しています。

 

代表 石澤

「3年もあるなら大丈夫」と思われるんですが、後遺障害の手続や示談で長引くと、体感は一瞬です。あと、事故から何年・認定から何年、どこを起点に考えるかで混乱も起きやすい。だから僕らは、認定が出た時点で「搭乗者傷害・人身傷害・特約」をまとめて棚卸しします。時効でゼロになるのが一番もったいないので。

 

ご自身の保険の請求も忘れずに

  • 自賠責保険への被害者請求
  • 相手方賠償の前提整理
  • 搭乗者傷害保険・人身傷害保険などの請求漏れチェック

まで含めて、
「本来受け取れるはずのお金を取りこぼさない」視点を持つべきです。

搭乗者傷害保険は「後遺障害認定」とセットで考えるべき

搭乗者傷害の後遺障害保険金は、
後遺障害等級が認定されて初めて請求できる保険金です。

つまり、

  • 等級認定に失敗すれば請求できない
  • 等級が1つ違えば、受取額も大きく変わる

という性質があります。

その意味でも、

後遺障害認定そのものの成否が、受け取れる保険金総額を左右する

と言えます。

搭乗者傷害の後遺障害保険金は「知っているかどうか」で差がつく

  • 搭乗者傷害保険は自分のための保険
  • 自賠責・賠償金とは完全に別枠
  • 等級に応じて定額で支払われる
  • 請求漏れが非常に多い
  • 時効があるため早期確認が重要

後遺障害が残ったにもかかわらず、
本来受け取れるはずの保険金を受け取れていないという事態は、
決して珍しいものではありません。

後遺障害・保険金請求でお悩みの方へ

  • 後遺障害等級が適正か不安
  • 保険会社から十分な説明を受けていない

このようなお悩みがある方は、
後遺障害認定と保険実務に精通した専門家に一度ご相談されることをおすすめします。

この記事の執筆行政書士

石澤 拓也(日本行政書士会連合会 登録番号:第12101578号)

立命館大学法学部卒。交通事故の後遺障害認定・異議申立てに完全特化した専門事務所の代表です。業界屈指の認定率72%を達成。認定されなければ報酬0円(着手金・相談料0円、隠れ費用一切なし)という費用リスクゼロの方針を好評頂いています。

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