後遺障害コラム 後遺障害の基礎知識 2023年04月19日 後遺障害が認定されると賠償金はいくら変わる?具体例で解説 後遺障害が認定されると、請求できる損害の「次元」が変わります。 交通事故でケガをした場合、治療費・通院交通費・休業損害・傷害慰謝料といった「傷害分の損害」は、比較的多くの方が受け取ることになります。 しかし、治療を続けても症状が残ってしまった場合、後遺障害が認定されるかどうかで、その後に請求できる金額は大きく変わります。 後遺障害が認定されると、これまでの「傷害分の損害」とは全く別枠で、 後遺障害慰謝料 後遺障害による逸失利益 といった 「後遺症部分の損害」 を請求できる権利が新たに発生します。 この後遺症部分の損害は、事故後の生活や将来の収入に直結する重要な補償であり、金額も数百万円〜数千万円単位になることが少なくありません。 保険会社任せの手続きでは「お金の流れ」が被害者に不利に 後遺障害認定の手続きを、相手方の任意保険会社を通じて行った場合(いわゆる事前認定)、たとえ後遺障害等級が認定されても、自賠責保険から支払われる後遺障害保険金は一度、保険会社の手元に入ります。 その状態で示談交渉が行われるため、 被害者の手元にはお金が入っていない 相手方保険会社は自賠責保険金を確保されている という、交渉上どうしても不利な立場になりやすい構造になります。 交渉って、正直「理屈」より「資金繰り」が先に来るんですよ。手元にお金がないと焦ってしまう。相手は「早く終わらせたい」ので、そこを突いてきます。お金の流れがどっちにあるかで、示談の落としどころが変わりやすいんです。 被害者請求なら「後遺障害保険金を先に受け取れる」 一方、被害者請求を行った場合は、後遺障害等級が認定された時点で、自賠責保険の後遺障害等級表に基づいた保険金が直接、被害者ご本人の口座に振り込まれます。 つまり、 認定直後にまとまった金額を「先取り」できる 生活費や治療費に充てることができる 焦らず、冷静に示談交渉に臨める という大きなメリットがあります。 その後、自賠責保険金では補いきれない不足分について、相手方と示談交渉を行っていく流れになります。 【参考例①】むち打ち症の場合でも等級が異なると数百万の差に 被害者:女性35歳職業:専業主婦年収:3,459,400円事故態様:追突事故過失割合:被害者0/加害者100傷病名:頸椎捻挫後遺症:頚部痛、左上肢のしびれ、握力低下 認定結果後遺症慰謝料逸失利益後遺症による損害合計非該当0円0円0円14級9号110万円約75万円約185万円(うち75万円が自賠責)12級13号290万円約374万円約664万円(うち224万円が自賠責) 同じ事故・同じ症状であっても、等級が違うだけで数百万円の差が生じています。 【参考例②】重い後遺障害では数千万円単位の差に 被害者:男性30歳職業:会社員年収:4,000,000円事故態様:横断中に車にはねられる傷病名:脳挫傷・頭蓋骨骨折・外傷性くも膜下出血後遺障害:高次脳機能障害 等級後遺症慰謝料逸失利益後遺症損害合計(自賠責内訳)非該当0円0円0円9級690万円約2,339万円約3,029万円(616万円)7級1,000万円約3,743万円約4,743万円(1,051万円)5級1,400万円約5,280万円約6,680万円(1,574万円)3級1,990万円約6,684万円約8,674万円(2,219万円) 後遺障害が認定されなければ、これらの賠償金は一切受け取れません。 搭乗者傷害保険も「後遺障害認定」が前提になります さらに、ご自身が乗っていた自動車に付帯している搭乗者傷害保険についても、後遺障害等級が認定されて初めて後遺障害保険金を請求できるケースがあります。 つまり、後遺障害認定は、 自賠責保険 任意保険 搭乗者傷害保険 すべてに影響する、極めて重要な手続きなのです。 後遺症でお悩みの方は、まず等級認定の可能性をご確認ください 私たち、石澤法務事務所は、後遺障害等級認定(自賠責保険への被害者請求)に専門特化した行政書士事務所です。 この症状は後遺障害に該当するのか 等級が取れる可能性はあるのか 今の進め方で不利になっていないか といった疑問をお持ちの方は、一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。 後遺障害が認定されるか否かで、あなたの受け取れる賠償は大きく変わります。 後遺障害の基礎知識 2022年12月21日 搭乗者傷害特約の後遺障害保険金とは?請求方法・必要書類・時効(3年)と取りこぼし対策 後遺障害認定後に受け取れる保険金は一つではありません。 交通事故で後遺障害等級が認定されると、多くの方は 「自賠責保険からの保険金」や「相手方への損害賠償」 だけを思い浮かべます。 しかし実際には、それとは全く別枠で受け取れる保険金が存在します。それが、ご自身の自動車保険に付帯されている「搭乗者傷害保険の後遺障害保険金」です。 この保険金は、 相手方の過失割合に関係なく 示談の進行状況にも左右されず 後遺障害等級が認定されれば請求可能 という非常に重要な給付ですが、請求されずに見過ごされてしまうケースが非常に多いのが現状です。 後遺障害の相談って、みなさん「賠償金」の話だけで頭がいっぱいになりがちなんです。でも少ないですが、「自分の保険の請求漏れ」です。ここを取りこぼすと、普通に数十万円単位で損します。 搭乗者傷害保険とは「自分のための保険」 搭乗者傷害保険とは、事故の相手ではなく、自分自身(運転者・同乗者)を守るための保険です。 自分の車に乗っていた人が対象 相手が無保険でも支払われる 過失割合が100%自分でも支払対象 つまり、賠償責任とは切り離された「定額給付型」の保険という位置づけになります。 搭乗者傷害保険の強みは、相手がどうとか、過失割合がどうとか、示談が進んでるかとか、そういう“揉めポイント”と無関係に動くところです。認定さえ取れていれば、生活費の足しとして早めに受け取れる可能性がある。ここは被害者の方にとって実務的にかなり大きいです。 搭乗者傷害の後遺障害保険金は「定額」で支払われる 搭乗者傷害保険の後遺障害保険金は、損害額を積み上げて計算するものではなく、加入時に設定した「死亡・後遺障害保険金額」を基準に、等級ごとの割合で支払われます。 等級別の支払割合(一般的な例) 後遺障害14級:死亡保険金額の4% 後遺障害12級:死亡保険金額の10% 後遺障害9級:死亡保険金額の20%前後(※保険会社・契約内容により異なる場合あり) 具体例 搭乗者傷害の死亡・後遺障害保険金額:1,000万円 後遺障害14級が認定された場合→ 40万円が支払われる これは、 自賠責保険(14級:75万円) 相手方への賠償金 とは完全に別枠で支払われるお金です。 相手方賠償とは全く別の給付である点が重要 搭乗者傷害保険の後遺障害保険金は、 相手方との示談とは無関係 相手保険会社の判断とは無関係 過失割合による減額なし という特徴があります。 そのため、 示談が長期化している間の生活費補填 治療終了後の精神的・経済的な支え 後遺障害が残ったことへの即時的な補償 として、非常に実務的な意味を持つ保険金です。 請求できるのに「請求されていない」ケースが多い理由 搭乗者傷害の後遺障害保険金は、自動的に支払われるものではありません。 次のような理由で、請求されずに終わってしまうことが多くあります。 そもそも搭乗者傷害保険の存在を知らない 自賠責や示談金と同じものだと誤解している 保険会社から積極的に案内されない 後遺障害認定と紐づくことを知らない 結果として、数十万円〜百万円単位の保険金を受け取らずに終わってしまうことも珍しくありません。 搭乗者傷害保険にも時効がある点に注意 搭乗者傷害保険の請求には、保険法上の消滅時効が存在します。 一般的には、 保険金請求権の時効:3年 とされており、後遺障害等級が認定された後、長期間放置していると請求できなくなる可能性があります。 「後でまとめて請求しよう」と思っているうちに、気づいたら時効を迎えていたというケースも実際に発生しています。 「3年もあるなら大丈夫」と思われるんですが、後遺障害の手続や示談で長引くと、体感は一瞬です。あと、事故から何年・認定から何年、どこを起点に考えるかで混乱も起きやすい。だから僕らは、認定が出た時点で「搭乗者傷害・人身傷害・特約」をまとめて棚卸しします。時効でゼロになるのが一番もったいないので。 ご自身の保険の請求も忘れずに 自賠責保険への被害者請求 相手方賠償の前提整理 搭乗者傷害保険・人身傷害保険などの請求漏れチェック まで含めて、「本来受け取れるはずのお金を取りこぼさない」視点を持つべきです。 搭乗者傷害保険は「後遺障害認定」とセットで考えるべき 搭乗者傷害の後遺障害保険金は、後遺障害等級が認定されて初めて請求できる保険金です。 つまり、 等級認定に失敗すれば請求できない 等級が1つ違えば、受取額も大きく変わる という性質があります。 その意味でも、 後遺障害認定そのものの成否が、受け取れる保険金総額を左右する と言えます。 搭乗者傷害の後遺障害保険金は「知っているかどうか」で差がつく 搭乗者傷害保険は自分のための保険 自賠責・賠償金とは完全に別枠 等級に応じて定額で支払われる 請求漏れが非常に多い 時効があるため早期確認が重要 後遺障害が残ったにもかかわらず、本来受け取れるはずの保険金を受け取れていないという事態は、決して珍しいものではありません。 後遺障害・保険金請求でお悩みの方へ 後遺障害等級が適正か不安 保険会社から十分な説明を受けていない このようなお悩みがある方は、後遺障害認定と保険実務に精通した専門家に一度ご相談されることをおすすめします。 後遺障害異議申し立て 2022年12月19日 後遺障害の異議申し立て・再申請とは?認定率は?非該当の示談金や失敗例 後遺障害等級の申請を行ったからといって、必ずしも被害者が納得できる結果が得られるとは限りません。 「症状が明らかに残っているのに非該当とされた」「実際のつらさが評価に反映されていない」 このようなケースは、決して珍しいものではありません。そうした場合に利用できる制度が、「後遺障害異議申し立て(再申請)」です。 後遺障害異議申し立てとは、一度出た後遺障害等級認定の結果に不服がある場合、新たな資料や医証を添えて、再度認定を求める手続きをいいます。 非該当って通知が来た瞬間、正直、頭が真っ白になりますよね。痛みや不安が消えたわけじゃないのに、紙一枚でないことにされる感覚…!そこに耐えながら生活してる方が多いです。でも、制度上は「次に何を足せば評価が動くか」で再度勝負ができます。 「目に見えにくい後遺症」は、初回申請で正しく評価されにくい 画像検査や数値で明確な異常が確認できる後遺障害と比べて、 頚椎・腰椎捻挫後の頚部痛・腰部痛 手足のしびれや痛み 頭痛、めまい、吐き気 高次脳機能障害 反射性交感神経性ジストロフィー(CRPS) といった、いわゆる「目に見えにくい後遺症」は、症状の実態がそのまま後遺障害等級として反映されにくい傾向があります。 これは、「症状が軽いから」ではなく、症状を裏付ける医証や説明資料が不十分なまま申請されているというケースが非常に多いためです。 事前認定1回だけでは、実態が評価されないことが普通です 石澤法務事務所では、「目に見えにくい後遺症」については、事前認定1回のみで適正な評価がなされない場合がほとんどと考えています。 実際に、 初回は非該当 異議申し立てで資料を整え直し、等級認定 というケースも、多く存在します。 そのため当事務所では、初回の認定結果に納得がいかなかった方からの異議申し立てのご相談・ご依頼も数多くお受けしています。 異議申し立てで、症状の実態の説明・証明が必要 むち打ちなどの目に見えにくい後遺症で苦しんでいる被害者の方が、事前認定で納得のいく結果を得られない最大の理由は、症状の実態を説明・証明するための資料が不足していることにあります。 後遺障害等級認定は、「つらい」「困っている」といった主観的な訴えだけでは評価されません。 あくまでも、 医学的にどのような症状が どの程度、 どのように継続しているのか を、客観的な医証として示すことが求められます。 異議申し立てで最も重要なポイント 異議申し立てを行う際に最も重要なのは、なぜ前回の認定結果が非該当、または低い等級になったのかを正確に把握することです。 認定理由を分析せずに、 異議申立書だけを提出する 加害者や保険会社の対応への不満を訴える といった方法では、認定結果が覆る可能性は極めて低いと言わざるを得ません。 後遺障害等級として評価されるか否かは、本当に症状が身体に残っていることを、どの医証で、どう裏付けるかそこにすべてのポイントがあります。 異議申し立てでは「新たな医証」が不可欠です 異議申し立て(再申請)は、単なる「再チャレンジ」ではありません。 前回の申請時には提出されていなかった、 医師への照会・回答書 症状の推移を補足する診療記録 検査結果の追加・再整理 認定基準を踏まえた医学的説明資料 など、新たな医証を整えたうえで申請することが不可欠です。 これらを戦略的に整え直すことで、認定機関が症状の実態を正しく把握できる可能性が高まります。 後遺障害の専門家である石澤法務事務所なら認定率72%の実績 後遺障害異議申し立ては、通常の後遺障害申請以上に、自賠責保険の後遺障害認定実務への深い理解が求められます。 特に、 どの点が否定されたのか どの資料が不足していたのか 次に何を補強すべきか を正確に見極めるには、過去の認定事例・非該当理由・認定傾向を踏まえた分析が不可欠です。 そのため、異議申し立て(再申請)を検討される場合こそ、後遺障害実務に精通し、認定率72%を誇る石澤法務事務所への相談を強くお勧めします。 あきらめる前に、異議申し立てという選択肢を 一度「非該当」と判断されたからといって、それが必ずしも「後遺障害が存在しない」ことを意味するわけではありません。 資料の不足や説明の不十分さによって、実態が正しく評価されていない可能性もあります。 「もうダメだ」とあきらめてしまう前に、後遺障害異議申し立てという制度があることを、ぜひ知ってください。 後遺障害の基礎知識 2022年03月19日 後遺症の等級認定方法は3つ?事前認定と被害者請求の違いを解説 交通事故によって後遺症が残った場合、その症状が「後遺障害」として正式に認定されるかどうかは、今後受け取れる賠償額を大きく左右する重要な分岐点となります。 実は、自賠責保険における後遺障害等級認定の方法には、大きく分けて3つの手続き方法が存在します。 どの方法を選択した場合でも、提出された資料をもとに、公法人である損害保険料率算出機構・自賠責損害調査事務所が「後遺障害が残っているかどうか」を客観的に判断する点は共通しています。 しかし、どの資料が、どのように提出されるかこの違いが、認定結果を大きく左右することは、あまり知られていません。 自賠責保険における後遺障害等級認定の3つの方法 【1】事前認定(加害者側保険会社に任せる方法) 事前認定とは、加害者側の任意保険会社に後遺障害等級認定の手続きを一任する方法です。 被害者は、保険会社の指示に従って後遺障害診断書などを提出するだけで、その後の書類収集や提出は、基本的に任意保険会社が行います。 等級が決定すると、その結果を前提として示談交渉に進み、示談が成立した時点で賠償金が支払われます。 事前認定の特徴 手続きが簡単で、被害者の負担が少ない どのような資料が提出されているか把握しにくい 後遺症の実態が十分に反映されないケースもある 特に、むち打ち症やしびれ、痛みなどの目に見えにくい後遺症では、必要な補足資料が提出されないまま認定が行われ、結果として低い評価や非該当になるケースも少なくありません。 【2】専門家を利用しない被害者請求 (自動車損害賠償保障法第16条請求) 被害者請求とは、被害者自身が、自賠責保険会社に直接、後遺障害等級認定を申請する方法です。 被害者は、 後遺障害診断書 診療報酬明細書 検査結果 事故状況に関する資料 などを取りまとめ、加害者が加入している自賠責保険会社へ提出します。 その後、自賠責保険会社から損害保険料率算出機構・自賠責損害調査事務所へ書類が送付され、等級認定が行われます。 認定結果が確定すると、自賠責保険会社から被害者へ通知が届き、等級が認定されていれば、自賠責保険金が支払われます。 被害者自身で行う場合の注意点 どの資料が認定に有効か判断が難しい 書類の不備や不足に気づきにくい 症状の伝え方次第で評価が大きく変わる 「被害者請求」という言葉だけを聞くと有利に感じますが、資料の内容と質が伴わなければ、十分な評価は得られません。 【3】専門家を利用した被害者請求 (自動車損害賠償保障法第16条請求・受任請求) 3つ目の方法が、行政書士や弁護士などの専門家に依頼して行う被害者請求です。 自動車損害賠償保障法に基づく自賠責保険への請求手続きを、業務として正式に受任できる法的資格者は、 行政書士 弁護士 のみに限られています。 ただし、行政書士・弁護士はいずれも業務範囲が非常に広く、すべての資格者が後遺障害等級認定実務に精通しているわけではありません。 専門家を利用する最大のメリット 認定基準を踏まえた資料の精査・補強 医師への照会や追加資料の作成 認定実務を前提とした戦略的な申請 特に、後遺障害認定に特化した行政書士は、医証の整理や認定ポイントを押さえた資料作成に強みがあります。 どの方法を選ぶかで、結果が変わる 後遺障害等級認定は、「どの方法を選んだか」そのものよりも、どのような資料が、どのように提出されたかが結果を左右します。 手続きの簡便さを重視するなら事前認定 主体的に進めたいなら被害者請求 認定の可能性を最大限高めたいなら専門家による被害者請求 ご自身の症状や状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。 後遺障害認定でお悩みなら石澤法務事務所へ 石澤法務事務所は、交通事故後遺障害の等級認定手続きに専門特化した行政書士事務所です。 後遺症が残っているのに非該当とされた 事前認定の結果に納得できない 被害者請求を検討している このようなお悩みをお持ちの方は、一度、専門家にご相談されることをおすすめします。 1...34567...9